研究概要

方向性

  1. 神経回路の挙動に決定的なパラメーターの探索
    • 世の中には交通網から人工神経回路に至るまで、たくさんのネットワークがありますが、その中でも天然の神経回路は非常に複雑であるだけでなく、多機能であるし、その上意識などという定義しづらいものまで実装している特異なネットワークです。そのため、行動などと切り離したとしても、生きている動物で神経回路の物理的な特徴(発火確率や結合荷重など)を調べて、挙動を決定する重要なパラメーターを探索することには、それ自体に意味があると考えています。
  2. 行動と神経活動の関係
    • スタンダードなシステム神経科学の方法論の一つですが、行動課題の一側面と神経活動を関連付けることで行動の神経基盤を解明していきます。ネットワークの構造は拘束条件として非常に有力であると考えているため、解剖学の手法を用いて得られる形態学的知見も大切にして進めていきます。我々の研究室では、多くの神経活動を同時に測ることによって知ることのできる全体的なダイナミクスの性質に特に着目して、この問題に取り組んでいきます。

方法論

  • げっ歯類(主にラット)
  • 頭部固定下の神経活動記録(ニューロピクセル)
  • 形態学(ウイルス注入・免疫染色など)
  • 行動解析(深層学習によるビデオからの自動抽出)
  • 行動・神経活動相関(神経デコーディング)
  • ダイナミクス解析(リカレント神経回路モデル)
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